第1話。プロローグ〜ネジュ島〜
地図には載らない日本で一番有名な島を、あなたは知ってるだろうか。
北海道の少しだけ離れた右上にあるネジュ島。
2020年にはまだ珍しい、島加工技術によって、1年中雪に包まれているが、暖かく過ごしやすい島だ。
知らなかったのかい?これから知っていくといい。
大きな特徴としては学校が1つしかないことだろう。
幼等部、初等部、中等部、高等部、大学部が連なった日本で一番大きな学校だ。
ネジュ島には、週に一度だけ北海道のてっぺんから船が出てる。それ以外でのアクセスは自前の船がない限り難しい。よって、島にいる学生は全員寮暮らしである。
幼等部、初等部の子供たちにとっては家族と離れての島暮らしは不安があるだろう。
もちろん家族と共に暮らせるよう、この学校に通う生徒がいる家族には、1家族につき、寮に1部屋与えられている。
家族と離れて暮らすと決めた者たちには、シェアハウス用に2人で1部屋か、4人で1部屋のどちらかが与えられる。性別は必ず男女で分けているが、年齢は混合である。
共に暮らし始めた家族たちに、日中の学習時間帯には、畑仕事や、郵便配達など必要な仕事をしてもらって、夜は寮で一緒にご飯を食べる。
おもちゃや趣味の道具、使いたいものがあったら、島にいるすべての人が学園長に理由を話せば、最短で部屋に物が届くし、お金は一切かからない。
週末には船に乗って北海道に帰り、そこから遊びに出かけても良い。自前の船さえあればいつだって出かけられる。
お小遣いは月に一度1人1万円が無償で学校から支給される。
学校の仕組み自体も、エスカレーター式に上がっていくから、一度入学すれば大学卒業まで保証されているようなものだ。
退学させられるような人?素行不良が目立つ人には予め、北海道に送り、もう二度と島には入れないようになる仕組みだ。
でもそんな子は今までほとんど見たことがないよ。
みんな自分にはどんな可能性があるか、キラキラ目を輝かせて毎日を充実させている。
自由に心穏やかに暮らせるし、勉強もきつくない。好きなことも楽しめる。そんな素敵な学校がネジュ島にはある。
この学校の理念は、人々を笑顔にさせたり、人の役に立てるような子供を育てるというのが第1に掲げられている。
立派に育った子供たちは、島の外で活躍する道を選択できるように、学校側が就職先に推薦したり、大学部卒業生であれば無試験で就職決定できる企業を募集したりしている。
そのため校則等は緩くても、目標を持って生活してる子がほとんどだ。
それ以外の子に関しては、島に入るための面接時に何か事情があって、入島を許される場合がある。時々、キラキラしてない目標がない子がいるのもそのためだ。まあほとんどのそういう子たちが、改心してきらめきながら巣立っていくんだけどね。
君もこの学校で暮らしてみたい?
残念…この学校に入れる子には、予めチケットかカードが配られるんだ。君はそれを持ってないようだから、残念だが島にすら入ることはできないよ。
チケットかカードはどうやって手に入れるか?
それは、どこからか見ている学園長に素質を認められた時、知らず知らずの間にポストに入っているんだ。
私からはこうしたら確実に入れるとは言えないが、
毎日目標を持って、キラキラ輝いて生きていればいい。
そうたとえば、「プリチャンアイドル」のように。
え?プリチャンアイドルを知らない?
あの、白鳥アンジュも?ミラクルキラッツの桃山みらいも?そうか…じゃあ、今度機会があったら、プリチャンを見てみるといい。
今一番キラキラ輝いている瞳を見ることができるよ。私もプリチャンをよく見ているんだ。
学園長は?って。それも知らないの?
ここの学園長は、同時に島の所有者だ。つまりこの島では、彼がリーダーということ。誰も彼には逆らわない。彼に育ててもらっているからね。
彼の名前は、「雪永雪雄」。5人の子供がいるネジュ島の長だよ。島加工技術を駆使して、雪をふらしたり、止めたり、吹雪にしたり、全ては彼の思うまま。
でもみんな彼に感謝しているよ。
なんでそんなに詳しい?ってそんなこと聞かれても、この物語を書くためにしっかりとネジュ島のことを見ているからとしか言えないよ。
私が誰かって…それはこの先の物語を見ていたら分かるかもしれないね。私のことはここいらにしておこう。
さてさて
ここからの物語は、このネジュ島の中の学校でのストーリーだ。
何人かのプリチャンアイドルとそこに関わる人物たちとのきらめくストーリーの中に入り込めるはずだよ。
さあ、次のページに行くんだ!
君もきっとあのネジュ島に……。